下北沢南口からすぐの「S」

今までは、シックな内装と、セレクトされたBGMを提供してくれる所をひたすらさまよい求めていたが、あまり良い結果にはならなかった。

そして都合14軒回った。

今日は考え方を変えてみた。

自分に取って居心地の良いところは何か。必ずしもシックな内装云々ではないなと。

下北沢の南口のS◯◯◯◯◯は、お世辞にも洗練されたBARではない。かと言ってオールドさを前面に出した所でもない。まあどっちかというとダサい方に入る。新規開店だが、半分は居抜きで使ってて、ディスプレイがちと安っぽい。

しかし今日久しぶりに入ってみたら、BARってこういう方がいいんじゃないの?と思ってしまった。

何しろノーチャージでかつ単価も安い。一杯飲んで500円代で済んでしまった。

この軽快感はちょっと今までになく新鮮だった。マスターは業界経験が長くなく、水商売臭さを感じないのも気に入った。

要するに自分としては構えが一切必要なく、入りたいときに入って出たいときに出れる。

これが本来のBARとかPUBじゃないの?って思ってしまった。

オーセンティック系だとどうしても構えてしまうし、飲み終わる頃には次の注文の無言のプレッシャーを感じる。どうも義務的に2杯目を注文して、チャージも含めて2Kオーバー。これはちょっと重たいなーと思う。

どうも良い店というのは、自分をいかにリラックスさせる店なんじゃないかと思い始めた。だから、良く扉の前まで来て引き返すこともあるのだが、それはそれで正解だ。何かしらの直感によって、ここは(このタイミングにおいては)自分を楽にする空間にはなっていないと直感してのことだからだ。

やはり内装よりもマスターとの相性が決定的になる。なぜならば客層もマスターとそこか相通じる人たちが集まってくるからだ。いうまでもなく客層に苦手意識があるとそこは自分の来る所ではないという感触を持ってしまう。

そういう意味では、下北沢は「ハード」は良いんだけど、自分にとって心地の良い空気を持っている所は決して多くない。一種の文化臭さがついていけないのかも知れない。どうしても知らず知らずに同調しようとしていて、それがなんだか疲れてしまう。

そんな中でこの「S」という店は、本来あまり上等な所とは言えないのだが意外な底力を感じたのだ。

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