残念ながら、世界は変わる

100年後の世界情勢がどうなっているか。自分的に何となく予測していたのは、(色々な近未来SF小説などでも描かれる)地勢的に区切られた巨大ブロック分割の図式だ。

つまり例えば
・ヨーロッパ・ブロック
・北米南米・ブロック
・東アジア、ロシアおよびオセアニア・ブロック
(あるいはロシア・中国ブロックと東南アジアブロック)
・インドおよび中近東ブロック
・アフリカ・ブロック

などに分かれ、現在のECの様に実質上国境の垣根が取り払われ、通行は自由になり、通貨も統合され、最終的には国家は政治的というよりも地域的民族的概念になっているという予想だ。

しかし事はそう簡単には運ばない。いや、最終的にそうなるだろうが、長くて辛い過度期を経る必要があるということだ。

ECを脱退するイギリスをはじめ、立ち位置が微妙すぎる国家や地域が多い。もちろん日本もその一員だ。インド、朝鮮半島もその中に入るだろう。

しかしここの所の激流を感じながら思うに、やはり世界は再編成に向かって大きく舵を切っていく時期に入っている。

重要な動きとしては

・トランプ主義によって覇権を失い、孤立主義に走るアメリカ、「太平洋連盟」もほぼ解消。
・孤立していたはずの中国にロシアが接近、アメリカに十分対抗できる勢力となる

以上はSFでなく現実の話であり、あと1週間ほどで確定してしまう。トランプが大統領になってしまうという悪夢は刻々と現実になりつつある。アメリカはブッシュに続きまたもや「愚かな大統領」を選んでしまい、世界を掻き回して行くだろう。

しかし日本の現行首相はこの動きを歓迎するだろう。彼が理想としている自衛国家をつくるための最高の機会がやってくるのだ。「奉仕」「ボランティア」などの名称の傘を着ながら、徴兵制に近い制度が徐々に出来るはずだ。徴兵制は誰もが反対するが、災害救助や復興を軸とした「国家ボランティア」なら反対はしない。そのうち適当な「敵」が何か事を起こせばもう材料は揃う。

そして何らかの形で核兵器の研究が進められるだろう。どんなに軍事費を増やしたところで、核兵器に対して丸腰になってはパワーバランスを保つことが出来ないからだ。しかしながら、さすがに今となっては核実験も出来ないので実弾を装備するのは難しい。

アメリカの核の傘を外されてしまうと、残された道は「中国」「ロシア」「インド」のいずれかと同盟を結ぶことだ。

とは言っても中国との同盟はあまりにも非現実的だ。しかしここで鍵を握っているのがロシアと中国の接近だ。

基本的に日本は中国もロシアも信用をしていないが、同盟に加わることでその不信感を相殺する作用もある。何よりも朝鮮半島の「問題児」を牽制できるメリットは大きい。インドは親日的ではあるものの、色々な意味で日本とは距離がある。

国民レベルでは抵抗を感じていても、いつの日か日本の政権が中国、ロシアと手を結ぶ選択をしないとは絶対に言い切れない。

もちろんそんな事にはなって欲しくはないのだが・・・

だから、本当のところは北方領土返還を駆け引きの材料に使ってはいけないのである。万一4島返還などという事態になった時、その代償はとてつもなく大きいだろう。4島を返してもらうために結局残りの4島、つまり北海道・本州・四国・九州を売るのに近い取引をしてはならない。例えば、4島返還に伴い、ロシア軍基地の北海道駐留を認めるよう要求されるような事態も考えられる。そこまで行かなくても、通行の自由化、北海道での居留や経済活動の自由化を求められるのは十分にあり得る。それは日本が日本でなくなって行く序章だ。

とにかく、ここの所の予想外の動きを観察していると、今までは近未来SFの世界と思っていた世界が次第に現実になっていく予感がする。

 

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