そして急速に変貌していく

もともと共和党に追い風が来ていたし、クリントン氏の素質にも疑問点があったので、トランプ当選そのものはさほど驚かない。誰が共和党の党首になっても当選していただろうという事だ。

トランプ陣営は大多数の低所得者層に減税を分かりやすくアピールして票を勝ち取った。それから海外駐留費、移民問題などの誰にでも分かるネタを用意して大衆の支持を得た。

実際のところ、金持ちの票も貧困層の票も重みは変わらないので、低所得者の票を集める方が「賢い買い物」なのは確かだ。

さて、今後はどういう「旋風」が吹くのか?

日本で一番喜んでいるのは安倍政権なのは間違いない。これで自分たちが長年構想していた自衛国家の建設を堂々と進めることができる。

誰も反対する者はいない、なぜならば誰しも北朝鮮のミサイルが飛んできたり、中国の艦船が尖閣諸島を取り巻いたりするのを恐れているからだ。

ただし核兵器の扱いだけは極めて神経質な問題だ。

実のところ、どんなに軍備費を増強しようが、徴兵制を引こうが、核兵器がなければ力の均衡を保つ事はできないし、抑止力にはならない。
ところが日本は自前で核兵器を開発する事ができても、地下核実験をして対外的にアピールすることは出来ない。これまでさんざん北朝鮮の核実験強行を罵っておいて、今更自分たちでやるわけには行かない。

そうすると、運用システムもろとも海外から買い入れるか、アメリカ以外のどこかと同盟する、つまり核の傘に入ってしまうか、どちらかの選択肢しか残されていない。

別の記事でも書いたが、その提携相手は中国かロシア以外は考えられない。

この二国と組むのは抵抗感を伴うが、もしドイツなどがロシアに接近し、中露独連盟が成立したらどうなのだろうか。

アメリカの孤立主義は、ヨーロッパとアジアの再編に加速をかけるだろう。

ロシアには日本が持っていない軍事力があり、ロシアも日本のテクノロジーとマネーを欲しがっている。

どうもこれは、近未来SFなどで書かれているような「極東同盟」が成立していく一歩目だという線がありえないわけではない気がしてしまう。

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